オフショア開発成功のためにベトナム人スタッフの仕事ぶりを覗いてみよう

〜フランジアQAスタッフ ズオン・ティ・ヴァンさんの場合〜

ソフトウェアやシステム、アプリの開発といったプログラミング業務を行う際、自社のリソースや国内の委託先を検討するだけでなく、オフショア開発を選択肢とするケースが一般化してきました。しかし一方で、「オフショア開発してみたけど、結果的に失敗に終わった」という声も多く聞かれるものです。

この原因は様々でしょうが、多くは「商習慣や文化性(仕事の進め方)の違い」「コミュニケーションの難しさ」といった点ではないかと推察します。また、そうしたことを見聞きしたことで「オフショア開発はやめておこう」と考える担当者もいらっしゃるようです……。

しかし、そうした声をよそに、フランジアでは契約数が年々増えていっています。この理由もいくつかあるかもしれませんが、私たちは「フランジアのスタッフたちの仕事ぶりがその答えだ!」と考えています。

 

では、実際にどんなスタッフがいるのか?Framgia Journalでご紹介したいと思います。

今回登場するのは、フランジアのQAリーダーを務めているズオン・ティ・ヴァンさん。この記事で、少しでもオフショア先のスタッフの“人となり”が伝わり、オフショア開発の品質管理を担当するQAの仕事を知っていただけると嬉しいです。

新しい環境でチャレンジしてみたい! ズオン・ティ・ヴァンさんのQA人生

– まず、これまでの経歴とフランジアで働くことについての感想を教えてください。

2007年に大学を卒業し、ベトナムの大手システム開発会社に開発エンジニアとして入社しました。そこでは8年間働いていたのですが、入社後に任された仕事が「テスター」だったのです。当初はそうした仕事があることも知らなかったのですが、だんだんと理解や重要性を知り、それからずっとQAの仕事を続けています。

最初の職場ではQAに関する業務を深く学ぶ機会をいただいたのですが、新しい環境でチャレンジしてみたいという思いが強くなって、キャリアアップのチャンスをつかむために、フランジアに転職しました。

まったく違う環境に来て、一番びっくりしたのは業務プロセスです。

前職は業界の中でも老舗だったので、業務プロセスが厳格に決められていました。しかし、フランジアはまだ創立3年程のスタートアップ。いろんなことが挑戦に満ちていたし、自分たちで考えて最適化させる工夫をしなければなりませんでした。

それは私にとってワクワクすることでしたし、なにより従業員がより働きやすい職場環境を作っていこうとしている経営陣のポリシーも理解できたので、楽しく仕事に向き合うことができています。

 

理想の仕事は「クライアントの立場になって考え、プロジェクトメンバーと一緒にプロダクトを作ろうとすること」

 

– QAとして、どんな仕事をしていますか?

私はQAチーム7名のリーダーとして、働いています。

具体的には、まず依頼されたプロジェクトの内容と規模を確認した後、クライアントから共有いただいたビジネス上の課題を分析するために、ブリッジSEと一緒に議論を重ねていきます。

そうして洗い出されたタスクの数々をQAメンバーに振り分けています。アサインする際は、メンバーの特徴や仕事の状況を確認するように配慮していますよ。プロジェクトの終盤には、レビューや報告書をまとめて、プロジェクトマネージャーとクライアントに提出しています。

 

– 仕事をしていておもしろいこと、辛いことはどんなことですか?

QAの仕事のおもしろさは、プロジェクトによって対応するべき内容が違うことです。

ひとつとして同じ課題はないので、向き合った課題を解決すればするだけ、新しい技術に触れることができます。とても勉強になりますし、対応力を磨くこともできるのはこの仕事のやりがいを感じるところですし、ステキなところです。

この仕事を10年間ずっとやり続けてこられたのは、私がQAという職業が大好きだからです。これまで「辛いなぁ」と思ったことは一度もないんですよ!

ただ、これからはQAとしてだけでなく、QAに関する教育活動にもチャレンジしてみたいと思っています。後輩を育てる、ということですね。

最近では業務時間外に、教育事業部でQAについてのレクチャーなどを行う機会ができたので、少しずつですが新しい夢も叶えつつあります。また、テストの自動化に関しても勉強しているところです。

 

– ズオン・ティ・ヴァンさんが仕事をする上で大切にしていることや理想のQAの仕事とはどんなものでしょうか?

QAメンバーにバグを見付けてもらって、それを開発者に修正してもらうだけでは十分ではないと考えています。なぜなら、それがクライアントやプロダクトを使うユーザが希望するものではないかもしれないからです。

私は、クライアントだけでなく、プロダクトを使うユーザーの希望をも理解し、それに沿ったプロダクトを作り上げることを大切に考えています。だからこそ、「クライアントが希望するプロダクトの品質とはどんなものか?」という点を把握することを大切に考えてもいます。

理想的なQAというのはクライアントの立場になって考え、プロジェクトメンバーと一緒にプロダクトを作ろうとすることです

 

– では、QAチームのリーダーとして、心がけていることはありますか?

リーダーは、自分のチームメンバーの考えていることを理解するために、ときにコミュニケーターとして、ときにアドバイザーとして振る舞う必要があると考えています。

そうすることで、より良いチームを構築することができ、それは仕事の成果にも反映されると考えています。

 

フランジア インタビュー QAリーダー Vanさん

正常系も異常系もQAできるスキルを身につけたスタッフを育成したい!

– オフショアでQAを依頼するのは難しい、という意見もあるのですが、ズオン・ティ・ヴァンさんは普段どんな風に仕事を進めていますか?

いま、QAチームには2人の初心者がいます。彼らに早く一人前になってもらえるように、最初は作成したテンプレートにしたがって仕事のやり方を覚えてもらえるようにしています。また、実際に彼らにレビューをしてもらい、その結果に対してアドバイスをします。

経験を積んでいたり、研修を受けたあとに現場にやってきたスタッフであったとしても、こうした日々の業務に即したトレーニングを続けることはとても重要なことだと考えています。

プロジェクトには様々なケースがありますが、初心者は自分の視点を持っていないためか、正常系*にこだわる傾向があります。しかし、当然ですが、正常系だけではなく、異常系も注視しなければなりませんし、様々な角度から物事を考えてなければQAは務まりません

また、問題が発生した時の対応の仕方も身につけてもらえるようにチェックリストを作って仕事を円滑に進められるようにしています。

緊急の対応が必要なのか、時間をかけた根本対策が必須なのか、判断ができるようになってほしいと考えていますし、今後、同様の問題が発生しても、ひとりで対応できるような力を身に付けてもらいたいと考えています。

オフショア開発を成功に導くために

– QAのスタッフはみんな日本語ができるのでしょうか?

日本語ができないスタッフももちろんいます。しかし、それでも仕事ができるように工夫をしています。まず、私達が使っているQAのツールは一般的に使われているものです。日本語が分からない人は、入出力を比較してチェックしても判断ができないのは確かです。

この問題を解決するため、ワードやエクセルで準備した日本語のテストケースのサンプルをコピー&ペーストして、対象を比較するようにしています。また、データ入力の比較は事前にテキストの半角サイズと全角など日本語固有のテストケースを準備しています。彼らには、そのテキストをベースにしてテストをしてもらっています。

そうした工夫が必要なので、勘違いや手戻りが起きないように、また、クライアントの希望に沿ったプロダクトを作れるように、渡していただく資料は出来る限り詳しいものだととても助かります。

– どんな資料が必要だと感じますか?

私はこれまで、ユーザーはどういう人なのか? どういう風に使うのか? ということを自分で想像しながら仕事をしてきました。そうした情報も含めて、資料を用意していただけるとすごくありがたいです。

– ありがとうございました!

 

こうして日々仕事に向き合うズオン・ティ・ヴァンさん。

「業界の進歩のスピードは早く、仕事の内容も高度化してきているので、たくさん勉強をしなくちゃいけない」といいます。

その代わり、週末は家族との時間を大切にしているそうで、「週末は家事をしたり、子どもと遊びに行ったりします。子どもためになるような場所、たとえば博物館に連れていくことも多いですね。先日はHoang Quoc Viet通りに昨年オープンしたベトナム自然博物館に行きました」と、教えてくれました。

プロダクトの納品ではなく、サービスの成功を目指し「人々を熱狂させる様な”Awesome!”をたくさん創造し、明るい未来を切り開くことに貢献し続ける」というフランジアのミッションを現場で支える要であるズオン・ティ・ヴァンさん。

彼女の仕事が、あなたが抱える課題を解決する日がくるかもしれませんね!

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<用語解説>

QAエンジニアの仕事とは?
どのようなサービスでも、エンドユーザーの満足度を得られてこそ世に出す意味があるというもの。そのためには、「理想的なものであるかどうか」をチェックすることは不可欠です。QAエンジニアは、「PMの次に仕様を理解し、アウトプットの理想形を描ける人」として、サービスの品質保証を担う仕事を担当します。

*正常系と異常系とは?
正常系とは、仕様に従って動作を行い、理想通りのアウトプットが得られるかを確認するものです。

異常系は、想定外または不正なアクションに対して正しくエラーが出るかどうかを確認したり、正しいアクションをしたにもかかわらず処理の途中でエラーが出た場合に正しくエラーを返してくるかどうかをチェックします。

通常、異常系のほうが経験や想像力を求められるとされていますが、ズオン・ティ・ヴァンさんは「正常系の確認を丁寧に行うことがまずは大切。仕様書があるからその通りにすればいいだけ、と考えてはいけない」と言います。