JapanTaxi株式会社

世界一の乗車体験へ―タクシーのIoTにイノベーションを起こすJapanTaxi (前編)
失敗しないオフショア開発―ラボの選び方と進め方
JapanTaxi株式会社インタビュー 代表取締役会長 川鍋氏、取締役CTO 岩田氏

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Share on LinkedIn0

タクシー業界最大手、日本交通の子会社で、配車アプリの先駆けである「全国タクシー」をはじめ、タクシーサービスの付加価値を高める取り組みを展開するJapanTaxi株式会社。Uberなどタクシーの在り方を脅かすようなサービスが登場する中、イノベーションが起きにくいとされる従来のタクシー業界の中心的な存在である同社が、ITやソフトウェアを活用しどのように未来を切り開いていこうとしているか、代表取締役社長の川鍋氏とCTOの岩田氏に伺いました。

川鍋 一朗氏

日本交通株式会社 代表取締役会長
JapanTaxi株式会社 代表取締役社長

1993年慶應義塾大学経済学部卒業。1997年ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院MBA取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社を経て2000年に日本交通入社。2005年日本交通ならびにJapanTaxi代表取締役社長、2015年に日本交通代表取締役会長に就任。2013年に全国ハイヤー・タクシー協会副会長、2014年東京ハイヤー・タクシー協会会長に就任。

岩田 和宏氏

JapanTaxi株式会社 CTO

東京工業大学大学院を卒業後、大手セキュリティ会社で画像センサーの開発、外資系ベンチャー、スマホ系ベンチャー、mixi、ストリートアカデミーCTOを経て、JapanTaxiのCTOに就任。アプリ関連のサービス全般の開発業務を担当し、技術およびチーム基盤を構築している。

ハードもソフトも全部やる会社

JapanTaxiの事業内容について教えてください。

川鍋:弊社は売上高日本一のタクシー会社である日本交通の情報システムを担う会社で、「移動で人を幸せに」「ITで移動の仕組みを良くしていく」ことモットーに、移動のプラットフォームになることを目指しています。自社向けの業務システム開発部門は、どちらかというとBtoBのタクシー業界の閉じたSIerでしたが、5年前のアプリ開発でBtoCのほうに足を踏み入れました。

今はアプリ事業とタクシー周辺機器事業、この2つをやっています。タクシーのIoTですね、我々はIoTを「Internet of Taxi(タクシーのインターネット)」って言ってますけど、どちらも最終的には自動運転タクシーというところに結実していくはずで、10年後ぐらいを目処に、今一歩ずつやっている状況です。

どのようなことを目指していますか?

今までタクシーというのはオペレーションだけで良くて、乗務員さんがちゃんと挨拶できるかどうかという世界だったんですね。日本交通は80年ぐらい東京だけでやってましたが、10年ぐらい前から全国に、特に関西に進出しました。海外にも出ようと思ってデューデリしに行ったんですけども、海外ではソフトウェアのほうに移動というものの付加価値が移ってしまっていました。タクシーの今までの付加価値は、乗務員がきちんと「はい」って挨拶できること、つまりオペレーションの精度だったんですが、そのあたりがぐっとソフトウェアのほうにシフトしていて、ソフトウェアがコントロールして、オペレーションが従う、主・従っていう感じになっちゃったんです。

「量的な拡大ではなく、質的な拡大を目指している」(川鍋氏)

我々もこのまま行くとマズいということで量的な拡大ではなく、質的な拡大を目指しているのが今のJapanTaxiです。今はソフトウェア、アプリの時代なんですけど、その後はハードウェア、自動運転の時代になります。オペレーションでソフトウェアとハードウェアを全部やる。それが私たちJapanTaxiです。

JapanTaxiのエントランスにはライティングされたタクシーが展示されている

タクシー業界のITプラットフォームでありたい

タクシー界のソフトウェアは海外のほうが日本より進んでいるのでしょうか?

川鍋:ここだけに関して言えば、Uberをはじめ海外は進んでいるんですよ。けれども、彼らは今オペレーションで苦労していて、ドライバーのマネージメントで結構火を吹いているんですよ。いろんなところからドライバーさんが訴えられてしまっています。彼らは自動運転タクシーを作ろうとハードウェアに巨額の投資をする一方で、ドライバーさんたちをおろそかにしちゃってるんで、弱みが見え始めているような段階なんですね。

「死んじゃいました」は許されない

タクシー業界とはどのような業界でしょうか?

川鍋:タクシーって誰しも使ったことがあるじゃないですか。市場規模も大きく、1.6兆円あります。タクシーは公共交通機関なので公共性というものが半分ぐらい入ってきて、そこがある意味手足を縛られている面もあるんです。

移動って人命に関わることもあるし、そうは言っても特に日本では、あんまり遅れてもいけない。ITの世界だととにかく小さく作って改善を重ねていくわけですけど、そういうのがちょっと利きにくい業界です。小さく作って出して「死んじゃいました」というのが許されない。「全力を尽くしますが、あとでバグが出たらごめんなさい、すぐ直します」っていうのが利かない世界なんですね。そういうところはハードウェアに近いと思うんです。ある程度きちっとしたマネジメントとオペレーションを作っていかないといけない。ソフトウェアとハードウェアとオペレーション、それぞれ相当文化が違うと思うんですよ。我々はそのうちのオペレーションの世界に生きているなと思います。

「規制で守られるとイノベーションの起きにくい。だからこそタクシー業界の中でイノベーションを起こすっていうのは面白い」(川鍋氏)

以前ミャンマーに行ったとき、電車も地下鉄もバスもなかったんですが、タクシーはもうあったんですよ。バスはちょっと出始めたかな? ぐらいの頃です。タクシーというのはコストの最小単位が小さいのですぐ始められるんですよ。であるが故にワーッて広がるんですけど、逆に規模の経済が利きにくく、有象無象がたくさんいる業界になりがちです。その反面、先ほど言った公共性とか安全面も守らなきゃいけないので、規制というのが出てきます。規制で守られるとイノベーションの起きにくい業界になります。世界的に見てもタクシーは移民の人が多くやっていたり、必要だけれどもあんまり素敵な業界ではない、というのが基本的なタクシー業界のあり方だと思いますね。

でも、だからこそタクシー業界の中でイノベーションを起こすっていうのは面白い。Uberみたいに外からやる方法もあるでしょう。でも、今イギリス、ドイツ、フランスで締め出されているように、先進国はああいうちょっとグレーゾーンのやり方を嫌います。少なくともUberの一番の肝である一般の人たちがドライバーをやるUberXと称される部分は、アジアでも韓国と台湾で禁止になったように、結構締め出されています。結局、ドイツも韓国も「タクシーをIT武装する」っていう形で発展してるんです。日本もたぶんそのパターンになるはずなので、我々はその中心的な場所にいるプレイヤーになりたいと思っています。

イノベーションが起きない環境が整っていた

日本のタクシー業界にイノベーションが起きなかったのはどうしてでしょうか?

川鍋:タクシー業界は、大きなビジョンを持ったすごく頭のいい人たちがこぞって入ってくる業界ではないので、全体的に見ると経営のレベルが低いんですよね。変化に対応するというのは基本的に弱いですし、私が中でやっていて感じたのは、何かやろうとしても社外では国交省が、社内では労働組合が立ちはだかるので、一般的な会社のノリでイノベーションをやるっていうのは相当やりにくい業界です。会社の中で、やりにくいからやらない体質っていうのがすごく染みついていて、そもそものビジネスの特性としてあんまりイノベーションが得意じゃない。得意とする人も優秀な人も入って来にくい。やろうと思っても、やっぱり労働者が多いので労働組合にも当たるし、あるいは例えば運賃変えようとしても、国土交通省がいて自分じゃ変えられない。いろんな意味で変えにくい状況がたくさんそろっている。

インターネット業界と比べたら真逆ですよね。その中でイノベーションを起こすっていうのはそう簡単にはいかない。モビリティテックとか交通テックってあんまりないじゃないですか。そういうのが発達していかない。フィンテックとかと違ってやっぱりなかなか難しいなあっていうのが正直なところです。

テクノロジーだけではなく古くからある体制も含めて変えていく必要があるということでしょうか?

川鍋:そうなんですよ。両方同時にやっていかないといけない。アメリカやインドだとグレーゾーンでも突っ走ってできちゃったりもするんですけど、やっぱりちゃんと法律の整った先進国では結構厳しい。テクノロジー以外のところにもいろいろと根回しをしないといけない。そういう役割は基本的に親会社の日本交通が持っていて、両方同時にやっているのがうちの最大の特徴だと思いますね。これはなかなかできないですよ。

リアルの世界とITの世界を両方やらなきゃいけないのがタクシー業界の特徴で、だからこそやれる人がいない。Uberは完全にITでガーッといってあとはお金でそういう業界の人たちを雇ったりロビイストを雇って拡大していった。

私自身の経営者歴も背広着てる時期は15年間と圧倒的に長いです。背広脱いだのはわずか1年前。だからどっちかっていうとそっちのほうがいまだに圧倒的に得意です。今、自分としてはアンラーニングの世界で、この1年間で必死になってアンラーンしてそっちの世界からこっちに総振りしてますけど、ああ、まだこんな感じでやってるんだなと最近は懐かしく思ってます。

タクシー業界はいろんな意味で変えにくい状況がたくさんそろっている。

オペレーションからイノベーションが起こった

どのようなことがきっかけでイノベーションを起こそうと思われたのでしょうか?

川鍋:正直な話、2011年の1月にアプリを始めた当初はそんなこと全然考えてませんでした。ただ単に電話をかけてもらえるコンタクトセンターが1個増えたぐらいの感覚でいたら、グワーッと伸びてきて、そのとき気づいたんですよ。

日本にタクシーが誕生してから今年で105年ですけど、最初の100年間は車の位置もわからなかった。「行ってらっしゃい」と朝タクシーを車庫から送り出した後は、車がどこにいるのかもわからないし、お客様の位置もわからず、勝手に流しでマッチングしてただけです。それが10年前から車の位置がわかるようになって、「おぉ、すげえ」となった。でも相変わらずお客様の位置も、いつ来るかというのがデータ化されてない。しかし、ユーザーの位置情報や行動がスマホでわかるようになり、初めて全履歴から数学的にマッチングし、予測できるようになった。どちらも数値的座標に置き換えられたのはアプリができてから。この辺は最初は知らないでやり始めたので、やっていくうちにゾゾゾッとして「やべえぞ、これは違うぞ」って。これがオペレーションから何かが起こったのを感じた瞬間ですね。

2011年にそんなことは知らずにアプリを出したらそれが伸びて、「何かこれはちょっと違うぞ」「何かやべえぞ」と思ったのが2012年。明確に意識したのは2013年の1月から3ヶ月間海外に行ってUberを初めて使ったとき。「あ、やっぱりね」と思った。そのあたりですね。それ以来4年ぐらいですけども、その間に私も背広時代が長かったので、しかも日本の「全国タクシー」でわりと上手くいっちゃったので正直こんなもんかと思っていたところがあった。でもUberが日本に入ってきていよいよマズいぞということになり、去年腹をくくって日本交通に新しい社長を招いて私自身は会長になりJapanTaxiの社長として専念し出した。それからCTOの岩田が来てくれた。なのでまだわずか1年ですね。

レガシーな体質で優秀な方が入りづらい業界とのことですが、川鍋さんご自身の経歴はいかがですか?

川鍋:僕の場合はそもそも日本交通の社長をやるためにMBAも取ったしマッキンゼーも行ったんです。自分の人生の予定としては日本交通の社長には50歳とか60歳ぐらいになる予定だったんですけど、35歳のときにうちの父親が割と早めに亡くなったので「あれ、やべえ」と。「俺、日本交通の社長になるまでのビジョンはあったけど、なってからのビジョンはまだ明確になっていなかった」というふうに思ったりもしたんですよね。

その頃は、まさか自分がITベンチャーを経営するようになるなどとは全く思ってもいませんでした。とはいえ結構興味はあったんですよね。大学を卒業した1993年から、カリフォルニアとシカゴで4年間ビジネススクールに通いました。

最初の2年間のカリフォルニア時代は、スタンフォードのアジアパシフィックリサーチセンターというところに1年間ビジティングスカラーとして行ったんですよ。そこでモザイクとかゴーファーっていうのができたらしいみたいな話を聞いたんです。「インターネットっていうの? へえー」みたいな。リサーチセンターで僕の後ろにいた山崎晶子っていう女性が「今度私のボーイフレンドが何かすごいものを作ったの。ワールド・ワイド・ウェブのディテクトリっていうのを作ってアケボノナントカっていうサイト名でやってるんだけど、すごいのよ。見に来て」みたいなことを言われて、「???」みたいな、全然わかんなくて。そしたらそれがYahoo!になったんですよ。

「このままいくと俺は一生後悔する、ここで踏ん切らないといかんと思って」(川鍋氏)

Yahoo!がこんなに大きくなって何か羨ましいけど、「いやいや、俺の人生には関係ない。俺はタクシーだ」って言い聞かせていた面があった。アプリとか何となく好きではあったんですけども、実際自分がやるとは思ってなかった。しかも基本苦手。いまだにビデオの録画もちょっと苦手な機械オンチなんです(笑) でもオペレーションのほうは結構得意だと思う。だから日本交通の世界とはバチッと合ったと思うんですよね。ネットとかそういうテクノロジーわかんないし、やべえ、とか思って3年ぐらい逡巡してたんですよ。やらなきゃいけないんだけどどのぐらい本気でやればいいかわからなくて。それで2年前に、これはもういかんともしがたいと、このままいくと俺は一生後悔する、ここで踏ん切らないといかんと思って、2014年の8月に「今から1年間俺はもう日本交通のほうやってる暇ないから、とにかく人を探してくる」と言って日本交通を任すことのできる社長を探してきた。それで2015年の8月にJapanTaxiにして、岩田が来てくれて、それからエンジニアも雇った。だから本気の本気でヤバイと思ってから2年。それがアクションとして表に出てから1年。それで圧倒的に人が足りないし岩田と相談してたら「やっぱりオフショアやってみたいですよね」みたいな。「オフショア? おう・・・」と(笑)

2011年にリリースされた配車アプリの先駆け「全国タクシー」

エンジニアをちゃんと教育している会社を求めていた

オフショアの話を最初に聞かれたときはどう思われましたか?

川鍋:「オフショアかぁ・・・。オフショアって何かあんまりいい話聞かないよね。大抵みんなやったけどダメだった、みたいな。失敗した話も多いし」「でも、もしそうなったとしても、いつかそれ言いたいよね」みたいな話をしました(笑) 岩田に「ダメかもしれないですけど、でも1年後か何年後かにやってみなかったと思うほうが嫌じゃないですか?」と言われて「そうかもしれない」(笑) と。失敗するんだとしても早いほうがいいよね。僕自身ももっと早くからもっと大掛かりな仕掛けでやれば良かったとすごく後悔したから。だからもうやるからには早くやろうと。それまでいたメンバーは僕が10個言ってようやく1個実現するって感じだったんですよ。ところが岩田たちが来てくれてからはむしろ「えっ、それもやっちゃうの?」というようなことまでやるので「岩田がやるっていうなら、まあいっか」という感じで「じゃあどこがいいかを探しに行こう!」という話になったんです。

フランジアを選んだ理由はどこにありましたか?

岩田:日本でまず何社かお話聞かせていただいて候補を2社に絞り、最終判断をするためにベトナムに視察に行きました。

ベトナムでは2社視察に行きました

川鍋:そう。うちの場合、でもちゃんとそこにタクシー会社さんがいてね。そっちがメインのようなフリをして(笑)

岩田:実際に視察に行ってフランジアは、エンジニアを自社でちゃんと抱えていて教育しているっていう面がやっぱりいいなと思いました。ちゃんと教育している。あとRubyなどの言語をちゃんとやっている。うちはRubyとC#だったので。そこが決めてになりました。

川鍋:フランジアは社風としてエンジニア的な文化があると感じました。JapanTaxiはとにかくエンジニアが活躍できる文化を目指していて、エンジニアの王国を作りたいというのが自分にとってチャレンジでもあるんです。その辺がフランジアは実践できていて、うちとも合うと思いました。

乗務員のキャリアパスを作る

今回開発されたキッズタクシーアプリについて教えてください。

川鍋:キッズアプリ自体は前々からすごくやりたかったんですよね。メインのアプリとはちょっとずれているんですけれども、もう4年やってるプロダクトです。「キッズタクシー」「お出かけサポートタクシー」「東京観光タクシー」と3つの新サービスを2011年に同時にスタートしたんですけど、キッズだけバーッと売れているんですよ。それだけニーズが高いんですね。正直ニーズに対応可能な乗務員がついていけていない。何故かというとお子様の送迎って結構細かくて「きょうは風邪引いたからキャンセル」とかオペレーションの手間がものすごくかかるんですね。それを乗務員さんたちが通常のタクシー営業を行いながらこなすのはすごく大変。圧倒的に効率化してたくさんの乗務員さんがこの業務を楽にこなせるようにしようっていうのがキッズタクシーのアプリの主眼なんです。これによって料金の決済もお客様とのやりとりも楽になったし、今まだ運用1ヶ月ですけど相当な手応えを感じています。

キッズタクシーは乗務員にとってのキャリアパスなんですよ。私が15年間やってきたのはタクシー乗務員のキャリアパスを作ること。まずみんな最初は黄色いいわゆるスタンダードな車。最低1年してクレームなどが少ないと黒色の「黒タク」に乗務できるんです。黒の上として作ったのが「エキスパート・ドライバー・サービス(EDS)」というスペシャル部隊。そのEDSの提供するサービスが「キッズ」「サポート」「観光」なんですよ。で、同時にスタートしたらキッズの需要がバーンと跳ね上がって、ところがそれについていけなくて乗務員がEDSから去るんです。何故かというと、キッズタクシーはお客様からの引き合いがすごく多く、問い合わせやお客様の要望に応えるには相当なオペレーションが必要で、みんななかなかそこまでやれなかったんです。

キッズタクシーのドライバー一覧画面

エンジニアリングリソースの不足を解消

キッズタクシーの開発にオフショアを選んだ理由を教えてください。

川鍋:やりたいんだけどやれない。ITで簡素化してあげないとついていけないんですよ。全体のアプリと比べればマーケットサイズがぐっと小さいので、エンジニアリングリソースが足らず4年間ずっと後回しになってできなかったんです。エンジニアリングリソースってたぶん永遠に足りなくて、御社でやってなかったら永遠にやってなかったですよ。やれてなかったと思います。

オフショアのトライアル的な面でちょうどいい一くくりというのがそのキッズだったんですね。人数は少ないんだけれどもグリーンベレー部隊として黄色、黒、EDSっていうのがある。EDSが輝いているから新しく入ってくる人がたくさん増える。特に最近強化している新卒乗務員などはやっぱりそのEDSを見て来るんですよね。観光タクシー、サポートタクシー、そしてキッズタクシーのドライバーというのを。ですから戦略として非常にうまくいっている。そこをちゃんと効率化するためのアプリがキッズタクシーアプリだったという話なんですね。

こっち側でやることは多くて、もうとにかくエンジニアリングリソース足りないんですね。日本でもまた全開で採り始めてますし、それはそれなりに月に2人とかのペースで採用できてるんですけども、とはいえ年間24人。頑張って30人。ということは今の50人が来年の今ごろ80人。ビジネス側も入れるとしたら100人。そういう単位でしか増えていかないんですね、今の我々の手応え感として。対するUberはエンジニア2000人、Lyftで5000人とか、もう全然違うんですね。そうしたときにうまくマネジメントすれば日本の5倍10倍のスピードで増やせるオフショアってすごく大事だし、オフショア乗り越えてちゃんと使いこなしている人に聞くと「オフショアは使いこなす体制さえちゃんとできればすごくいい」って言われるし、そういう意味でテスト期間を終え、岩田もゴーを出したんで、今はそのメインの次の乗務員向けアプリを今作ってる。完全にメインの根幹の一つを作り始めている。ただ、これもキッズアプリでやってきたのでスムーズに入れたんだよね?

キッズタクシーの注文画面

予想の2倍の速さで開発が進んでいる

実際、フランジアで開発をしてみていかがでしたか?

岩田:そうですね。今キッズアプリのメンバーがサブリーダー的な感じでやってくれてるので本当にマネジメントが楽というかスムーズに入ってるんですよね。今12、3人いるんですけど、最初は一気に増えてもちゃんと回るのかな? という感じで様子を見いてたんですが、意外や意外、結構速い。予想の2倍ぐらいの速さで今開発が進んでいるので追加機能どうしようかっていうことで嬉しい誤算で、追加処理も考えるような感じになっている。本当オペレーションがうまくいっているっていうような感覚がありますね。

フランジアの開発メンバーたち

マネジメントの面での課題を教えてください。

川鍋:こっちのマネジメントとして手島は性質としては結構うまくフィットしていて、本人もエンジョイしていたんですが、問題は社内でそれを見て「あいつはエンジョイし過ぎだ」みたいに「楽しそうにやり過ぎ」みたいな、やっぱりそういう嫉妬心みたいなのがぶっちゃけあります。僕自身ですら「俺もちょっと行かせろよ」ぐらいの思いがありました。正直そういうところはマネジメントとしてうまくやらないといけない。こちら側は、何か適当に「フフフ~ン♪」とか鼻歌交じりにやってるんじゃないのとか思っちゃうし、またそれを見て自分もやりたいっていう人も結構増えますしね。そこはうまくローテーションしていかなきゃいけないでしょうし、その辺の人事マネジメントの管理が必要です。

楽しそう過ぎる、しかも自分じゃ手を動かさないわけじゃないですか。そうすると「お前本当にやってるのか」みたいに、彼のマネジメントのクオリティとかそういうところが結構問われるところで、そこに対する説明責任とかはブリッジになるエンジニアがきちっとこっちで信用されてないといけない。テイクオフしたとはいえ、まだまだきちっとした上のほうでの飛行にはなってないと思ってます。社内での体制とかブリッジの育成とかはまだ未知数なので、我々も手綱をきちっと引き締めなきゃいけないというような状況です。

「あいつはエンジョイし過ぎだ」みたいな嫉妬心がぶっちゃけあります。(川鍋氏)

逆に行ってる人がエンジョイしてないとか嫌々ながら行ってるっていうケースもあるでしょう。大抵「俺行きたいです」っていうパターンには二つあって、本当にポジティブに行きたい場合と今の環境から逃げ出したい場合と両方あるわけですよ。そうすると逃げ出して遊んでるんじゃないのって逃げ出されたチームの人は思うし、その辺もう少し深掘りしていくとたぶんリアルなこっちのマネジメント課題としてあるんだと思うんですよ。社内でね。何となくですよ。やっぱり東京でジトーッてやってる人たちから見ると「いいな」ってなるんですよ。幾らお土産毎回買ってきたって。そこは社内のマネジメントをうまくやらないとと思っています。

付加価値で勝負すれば世界に負けない

(ホスピタリティというと、日本でしかないようなサービス、例えば陣痛タクシーなどがありますが、Uberなどと違って)単に移動できるということではなくホスピタリティのあるサービスとして差別化していきたいということでしょうか?

川鍋:そうですね。陣痛タクシーは海外にはないでしょう。ひたすら効率を追求して安くするというのはやっぱりボリュームゾーンとしてはあるとは思うんですけども、我々の「移動で人を幸せに」というのは要するに自動運転になったら移動中がエンタメになったりとか、何かそういう要素は付加していきたいなと思うんですよね。ひたすら大量生産で回してとにかく1円でも安くっていう世界って、今UberとかLyftとかみんなクーポン合戦になっているんですけど、それはちょっとむなしいと思うんですよね、正直ね。それで安く行きゃ幸せかっていうもんでもないだろうって。そこはそこである程度やろうとはしてるんですけども、ある程度来たらタクシー業界の中の我々はちょっと上澄みというか、乗務員に付加価値をつけて、という方向にいきたいんですよね。やっぱり移動に付加価値をつけていきたい。それは陣痛タクシーみたいことなのか、移動中に商談することなのか、乗務員さんが素敵だとかそういうことなのか、何かわからないんですけど何かしらの付加価値はつけられるはずだと我々は思って活動してます。そこに関してはやっぱり日本人の要求度合いは圧倒的にきめ細かいし、要求レベルも高いですから、日本でやっている限りそこは世界に絶対負けないと思います。

「移動に付加価値をつけていきたい。」(川鍋氏)

ベトナムのオフショア開発の視察、システム開発に関するご質問、
お仕事のご相談、お見積の依頼など、お気軽にお問い合わせください。

Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Share on LinkedIn0